TBSの日曜劇場で放送される新ドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』。
競馬界を舞台に、税理士として働いていた主人公が家族と共に競走馬ビジネスへ挑むという異色のストーリーが注目されています。
作品タイトルやあらすじを見た多くの人がまず抱くのは、やはり 「ザ・ロイヤルファミリーは実話なのか?」 という疑問ではないでしょうか。
家族の絆や成功の裏側にある葛藤が丁寧に描かれていることから、フィクションというよりもドキュメンタリーのような印象さえあります。
「登場人物にはモデルとなった人物がいるのでは?」「元ネタとなった出来事があるのでは?」と感じるのも不思議ではありません。
では、本作はどこまでが現実に基づいた物語で、どこからが創作なのでしょうか。
次の章では ザ・ロイヤルファミリーは実話なのか? というテーマから、まずは作品の成り立ちを整理していきます。
ザ・ロイヤルファミリーは実話?
結論から言うと、『ザ・ロイヤルファミリー』は実話そのものではありません。
物語の原作となっているのは、小説家・早見和真さんによる同名小説であり、フィクション作品として出版されています。
ただし、単なる作り話というわけでもありません。
原作小説は山本周五郎賞やJRA賞馬事文化賞を受賞しており、競馬業界のリアルな描写が高く評価されています。
実際にドラマの撮影場所も、実在する競馬場や北海道の育成牧場が使われています。
作者自身も綿密な取材を重ねた上で執筆したと語っており、実際の競馬関係者の体験談や制度を下敷きにした現実味のあるフィクションと言えるでしょう。
作品としてはフィクションだが、描写の精度が高いため 「限りなく実話に近い」 と感じる視聴者が多い――というのが正確な捉え方です。
なぜ「実話のように感じる」のか
『ザ・ロイヤルファミリー』が実話っぽく見える最大の理由は、舞台となる競馬業界の描写が非常に具体的で現実的だからです。
・馬のオーナー制度や賞金の仕組みなどが作中で細かく語られる構成
・家族の生活や資金面のリアルな葛藤まで踏み込んで描かれている点
これらは実際の競馬業界や牧場関係者に聞かなければ出てこない情報が多く、ただの想像では書けない領域です。
原作小説がJRA賞馬事文化賞を受賞していることからも、関係者から「本物の現場を理解している作品」と評価されていることが分かります。
視聴者が「実話じゃないの?」と感じるのは、内容が現実の競馬界に即して作られているからこそでしょう。
ザ・ロイヤルファミリーモデルになった人物や元ネタは?
『ザ・ロイヤルファミリー』には、特定の人物や事件が公式なモデルとして明言されているわけではありません。
制作側からも「〇〇さんが元ネタです」といった発表はされていないため、特定の競走馬オーナーや競馬関係者を直接的に描いた作品ではないと考えられます。
ただし、完全な空想から作られた物語でもありません。
原作小説の作者・早見和真さんは、執筆にあたって競馬業界の関係者に取材を行っており、その取材内容をもとに複数の実在人物を組み合わせたようなキャラクター像を作り上げていると見られます。
特に、物語の中心にある
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「税理士が競走馬のオーナーに関わる」という構図
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「家族ぐるみで馬を支える」というスタイル
は、現実の競馬界でも珍しくなく、集合的なモデル(複数の実例を組み合わせた主人公像) として構成された可能性が高いでしょう。
また、ドラマ版にも協力団体として競馬関連の団体が関わっていることから、設定面では実在のレース制度や業界の仕組みが丁寧に反映されていると考えられます。
モデル候補として考えられる人物・ケース
『ザ・ロイヤルファミリー』には、特定の人物がそのまま主人公の元ネタとなっているわけではありません。
しかし、物語の背景には競馬に関わる人々の共通するリアリティが色濃く反映されており、いくつかのケースがモデルの候補として考えられます。
まず注目したいのが、税理士や会計士といった専門職から馬主になるケースです。
JRAの公式登録馬主には会社経営者だけでなく、士業や医師といった「安定した収入基盤を持つ個人」が多く含まれており、数字に強い人が馬主として成功するという構造は珍しくありません。
主人公の「税理士」という職業設定は、実際の競馬界にも自然に存在する立ち位置と言えるでしょう。
また、家族ぐるみで競走馬を支えるスタイルも現実の競馬業界でよく見られる形です。
北海道の生産牧場や小規模のオーナー団体では、夫婦や親子で馬の世話や資金管理を分担しながら挑戦するケースが多く、原作の「家族の物語」という軸にも強く通じます。
さらに、「一頭の馬に人生を賭ける」という精神構造は、競馬に関わるすべての人々に共通するものでもあります。
馬主・調教師・厩務員・騎手──立場は違っても「この馬に夢を託す」という姿勢は誰もが共有しており、主人公像は特定の誰かというよりも、競馬界そのものを象徴する集合的モデルと捉えるのが自然です。
競馬ビジネスの仕組み自体が元ネタとなっている?
『ザ・ロイヤルファミリー』の物語は、特定の人物だけをモデルにしているわけではなく、競馬業界そのものの構造や仕組みが物語の土台になっているとも考えられます。
たとえば、作中でも鍵となる「馬主制度」には、実際に多くのパターンが存在します。
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個人馬主(富裕層・専門職・経営者など)
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法人馬主(企業が馬主として登録するケース)
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一口馬主(多数の出資者が1頭の馬を共同所有する仕組み)
さらに、馬の生産・育成・調教・出走に至るまでには、牧場・クラブ法人・調教師・厩務員・騎手など多くの人が関わるネットワーク型のビジネス構造が成り立っています。
このように、競馬ビジネスは「一人の才能や情熱だけでは成り立たず、家族や仲間との協力が不可欠」という性質を持っており、まさに原作やドラマが描くテーマと重なります。
つまり、『ザ・ロイヤルファミリー』の元ネタは 個人の成功談ではなく、競馬という産業そのものが持つ「共同体の物語」だと捉えるのが自然でしょう。
ザ・ロイヤルファミリー登場人物とキャストから見えるリアルな人間模様
『ザ・ロイヤルファミリー』の登場人物たちは、典型的なドラマ的キャラクターというよりも、実在していそうな大人たちとして描かれているのが特徴です。
ここからは主要人物を個別に整理しながら、なぜリアリティを感じるのかを見ていきます。
主人公・栗須栄治は「完璧ではない普通の大人」
主人公・栗須栄治(妻夫木聡)は大手税理士事務所に勤めるエリートでありながら、挫折を経験し、自分の役割に迷いを抱えています。
努力してきたのに報われない――そんなどこにでもいそうな現実的な主人公像だからこそ、物語全体に実話のような説得力が生まれています。
再会する元恋人・加奈子という現実的なヒロイン像
栗須の前に現れるのは、北海道のファームで働く元恋人・野崎加奈子(松本若菜)。
「支えてくれる妻」ではなく「過去に別れたパートナー」という距離感にすることで、恋愛物語ではなく価値観が交差する人生の再会劇として物語が進んでいきます。
加奈子の持つ生活者としての視点も大きなリアリティ要素です。
人と馬の共存がリアリティを生む
劇中で描かれる競馬は、単なるギャンブルではありません。
馬は「お金を稼ぐ手段」ではなく、「人生を賭ける相手」として描かれています。
馬主制度や賞金の仕組みといった現実的な情報と共に、馬を家族のように扱う人々の感情が丁寧に描かれることで、視聴者は競馬を共に生きる営みとして捉え始めます。
親子・ビジネス・理想が交差する群像劇
競馬事業を巡って対立する山王耕造(佐藤浩市)と息子・優太郎(小泉孝太郎)、さらにはライバル馬主・椎名善弘(沢村一樹)など、立場の異なる人物たちがそれぞれの正義を持って行動します。
善悪ではなく価値観のぶつかり合いとして描かれている点も、この作品が「まるで実話のよう」と言われる理由のひとつです。
ザ・ロイヤルファミリーは実話?モデルになった人物や元ネタは?のまとめ
『ザ・ロイヤルファミリー』は一見すると「ザ・ロイヤルファミリーは実話なのでは?」と感じるほどリアルな描写が魅力の作品です。
しかし実際には特定の人物を描いたノンフィクションではなく、競馬業界を取材して生まれた現実味のあるフィクションとして作られています。
モデルとなる人物が一人いるのではなく、税理士出身の馬主、家族で牧場を支える人々、馬に人生を賭ける大人たち――そうした実在するケースの積み重ねが物語の土台となっているのです。
だからこそ、多くの人が「ザ・ロイヤルファミリーは実話っぽい」と感じてしまうのでしょう。
今後ドラマの放送が進むにつれて、視聴者の間で「この人が元ネタでは?」「この馬がモデルなのでは?」と新たな考察が生まれるはずです。
続報や追加情報があれば随時更新していきますので、ぜひ本編とあわせて楽しんでください。