映画『国宝』は公開から3ヶ月で興行収入124億円を突破し、邦画実写として歴代2位の大ヒットとなりました。
話題性の高さから注目を集めていますが、上映時間が約3時間と長いこともあり「つまらないのでは?」という意見も少なくありません。
一方で「想像以上に面白い」「3時間が長いと感じなかった」といった声も多く、真逆の評価が飛び交っています。
「つまらない」と切り捨てる人もいれば、「ここ数年で一番面白い邦画」と絶賛する人もいるなど、まさに賛否両論の作品です。
大ヒット作『国宝』は本当にどんな映画なのか。
この記事でその魅力と評価を検証していきます。
国宝映画の概要
映画『国宝』は、直木賞作家・吉田修一の同名小説を原作とし、監督は『悪人』『怒り』などで知られる李相日です。
物語の中心となるのは、任侠一家に生まれながら歌舞伎の名門に引き取られた主人公・立花喜久雄(吉沢亮)。
ライバルの俊介(横浜流星)との交錯や、厳しい世襲制の梨園でのし上がる過程を経て、人間国宝にまで上り詰める半生が描かれています。
歌舞伎の人気演目「二人娘藤」「曽根崎心中」が重要なシーンで取り上げられ、役者自身が吹き替えなしで挑んだ演技も大きな見どころ。
また、2025年5月にはカンヌ国際映画祭「監督週間」に出品され、ワールドプレミア上映が行われたことでも話題を呼びました。
国宝映画は評価高くて面白い?
映画『国宝』は、公開からわずか3ヶ月で興行収入124億円を突破し、邦画実写として歴代2位という記録を打ち立てました。
さらにカンヌ国際映画祭でも上映されるなど、国内外での評価も高まっています。
とはいえ、観客の声を追うと「圧倒的に面白い」と語る人もいれば、「期待ほどではなかった」と感じる人もおり、評価は一様ではありません。
高評価を支える要素
多くのレビューでは「芸術性の高さ」や「役者の演技力」が強調されています。
吉沢亮と横浜流星が演じる主人公とライバルの対峙は圧巻で、「息を呑むような緊張感だった」と感想を残す観客も多いです。
また、歌舞伎の舞台裏を描く美しい映像表現や、細部まで作り込まれた小道具のリアリティも高く評価されており、芸術作品としての完成度の高さが支持につながっています。
原作小説の評価は?
映画の原作となった小説『国宝』(吉田修一著)は、文学賞を受賞した話題作です。
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2018年度 芸術選奨 文部科学大臣賞
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2019年 中央公論文芸賞
という二つの権威ある文学賞を受賞しています。さらに、シリーズ累計発行部数は140万部を突破しており、文芸的にも商業的にも高い評価を得た作品です。
歌舞伎の現場に基づくリアリティ
著者の吉田修一は、実際に歌舞伎の舞台裏で「黒衣」として働きながら取材を重ねました。
そのリアルな体験をもとに描かれた小説は、芸の世界の息づかいまで伝わると評判で、映画版のリアリティを支える大きな土台にもなっています。
映画への期待を高めた要因
原作が文学界でも高く評価されたことにより、映画化発表時から大きな注目を集めました。
観客の「本物の物語を映像で見たい」という期待感を高めた大きな要因のひとつといえるでしょう。
キャスト陣の演技が支える国宝の魅力
吉沢亮さんと横浜流星さんは、すり足や背筋、扇子の扱いなど、舞台の基本を数か月かけて徹底習得。
中村鴈治郎さんによる厳しい所作指導で、姿勢の美しさと仕草の自然さが際立っています。
“本物”を目指した稽古と演技への誓い
横浜さんは「本物の歌舞伎役者になってほしい」と監督から言われ、稽古に1年もの時間をかけたと話されていました。
吉沢さんも化粧に対する不安を抱えながら、その恐怖を乗り越え、舞台に魂を込めた演技を実現しました。
実際に歌舞伎の専門家から数ヶ月の指導を受けたことで所作のリアリティが増し、海外の批評でも「舞台シーンに説得力がある」と称賛されました。
高評価レビューの舞台裏
国内レビューでも「3時間集中が途切れなかったのは演技の力」との声が多数。
Filmarksでは★4.3(レビュー15万件以上)と高水準を維持し、重厚な演技と映像美が幅広く称賛されています。
面白いと感じた人の声
「100年に1本の芸道映画」「3時間をまったく長いと感じなかった」といった絶賛が目立ちます。
特に、歌舞伎を知らない観客でも物語の人間ドラマに引き込まれ、「緊張感が途切れないまま最後まで観られた」という声もあります。
芸術性だけでなく、ストーリー展開や役者の存在感そのものを「面白い」と感じた人が多いようです。
つまらないと感じた人の声
一方で、「歌舞伎に詳しくないと理解しにくい」「重厚すぎて娯楽映画としては楽しめなかった」といった意見も少なくありません。
中には「演技は素晴らしいけれどストーリーのテンポが遅く、途中で集中が切れた」という声もあり、必ずしも全員に響く映画ではないことがわかります。
総合的な評価
『国宝』は、映像美や演技に魅了された人にとっては「面白い」と強く感じられる一方、重厚なテーマや芸道の専門性が壁となり「つまらない」と感じる人もいる二極化した作品です。
観客が何を求めて映画館に足を運ぶかによって、印象が大きく変わるといえるでしょう。
国宝映画上映時間は3時間でつまらないって本当?
『国宝』の上映時間は175分、約3時間に及びます。
邦画の平均が120分前後であることを考えると、かなり長尺の作品だといえるでしょう。
この点についても「長すぎる」と感じる人と「全く苦にならなかった」という人に分かれています。
長いと感じた人の意見
「途中で間延びして疲れた」「座りっぱなしで体力的にきつかった」といった感想は少なくありません。歌舞伎の専門的な描写が続く場面ではテンポが遅く感じられ、「長さがつらい=つまらない」と結びつけてしまう観客も一定数います。
特に映画館での鑑賞では、休憩がないために体感的な負担も大きかったようです。
あっという間だったと語る人も
その一方で、「3時間が一瞬だった」「物語の流れに引き込まれ、気づけばエンドロールだった」という感想も多く寄せられています。
特に立花喜久雄と俊介の関係性や、歌舞伎の舞台シーンに心を奪われた観客からは「むしろもっと観ていたかった」との声もあり、長尺をポジティブに受け止める人も少なくありません。
長尺映画としての位置づけ
近年はハリウッドの大作でも2時間半を超える作品が増えており、3時間近い上映は決して珍しいものではなくなっています。
『国宝』の場合、重厚なテーマを描き切るために必要な長さと捉える人も多く、「腰を据えて観る価値がある大作」と評価する声もあります。
観る側も「長い映画」と理解したうえで臨むことで、より満足感を得られるといえるでしょう。
国宝映画は評価高くて面白い?上映時間は3時間でつまらないって本当?のまとめ
映画『国宝』は公開からわずか3ヶ月で124億円を突破し、邦画実写として歴代2位に輝いた大ヒット作です。
多くの人が「芸術性や演技が圧倒的で面白い」と評価する一方で、「重厚すぎて理解しづらい」「上映時間が長いため途中で集中できずつまらないと感じた」という声もあります。
こうした賛否の分かれ方が、『国宝』という作品の特徴でもあるでしょう。
実際には「3時間があっという間でとても面白い」「むしろもっと観ていたかった」と語る観客もいれば、「長いから疲れた」「予備知識がないとつまらない」と正反対の感想を持つ人も少なくありません。
最終的に『国宝』をどう受け止めるかは観る人次第であり、自分にとって魅力的かどうかは実際に体験してみることでしかわからない映画だといえるでしょう。