海に眠るダイヤモンドの百人一首の意味は?吹くからにで始まる和歌を調べてみた!

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ドラマ『海に眠るダイヤモンド』で進平役の斎藤工さんが、百人一首を歌う場面がありました。

SNSでは海に眠るダイアモンドで百人一首?、吹くからにって、どんな意味?と言った疑問を持った方も多かったようです。

この記事では、斎藤工さん演じる進平兄さんが、唱えた百人一首の意味と、吹くからにで始まる和歌について調べてました。

印象に残るあのシーンと、和歌を少し深掘りすることでドラマが一層見応えあるものになるかも知れませんよ。

 

海に眠るダイヤモンドの百人一首

早速、『海に眠るダイヤモンド』の第一話で、放送された百人一首の場面を振り返ってみましょう。

海に眠るダイヤモンドの百人一首のシーン

海に眠るダイアモンドに登場する端島(軍艦島)は、明治の初めから戦後の高度成長期にかけ、石炭採掘で発展した人工の島。

この島で働く人たちは、全国各地から集まっていました。

斎藤工さん演じる進平が働く炭鉱現場にも、新しい炭鉱員が入ってきました。

未経験な新人炭鉱員に、國村準さん演じるベテラン炭鉱員の一平(進平の父)が、山に入る心構えを伝えるのでした。

新人炭鉱員の二人は、それを馬鹿にするように一平に物申す素振りを見せたのです。

そこに割って入ってきたのが、進平です。

全員の注目を集めるかのように少し声を張って、「吹くからにー」と和歌を唱え始めます。

それを聞いた仲間の炭鉱員たちは、進平に答えるように百人一首を全員で合唱するのでした。

 

海に眠るダイヤモンド進平と百人一首

ドラマではあまり描かれていない、進平と百人一首の関係について見てみましょう。

百人一首を亡き妻と?

今の現代でも広い年代から親しまれている百人一首、遊んだことがあるという人も多いのではないでしょうか?

進平も百人一首を好んで楽しんでいました。

進平の暮らす部屋には、百人一首の歌が書かれた紙が何枚も張り出されていました。

もしかしたら今は亡き、進平の妻である栄子と「かるた遊び」を楽しんでいたのでしょう。

 

百人一首と言えばかるた

百人一首言えば、「かるた」を思い出す方も多いでしょう。

長い歴史を持つ百人一首が、ゲーム感覚で親しまれるようになったのは、「かるた」のおかげかも知れません。

元々は、平安時代の二枚貝の貝殻をあわせる遊び「貝合せ」と、これとヨーロッパ由来のカードゲームが融合し出来たのが「かるた」と言われています。

さり気なくドラマの中で登場していた、百人一首とかるた。

軍艦島の人たちの大切な生活の一部だったようです。

軍艦島と百人一首

限られた狭い空間で多くの人々が暮らしていた端島では、娯楽はとても大切なものでした。

常に危険と隣り合わせの炭鉱員たちにとって、娯楽は生きる喜びその物だったのかもしれません。

大人や大人と子どものための倶楽部やサークルが作られて、活発に活動していたそうです。

  • 百人一首
  • コーラス
  • 短歌
  • 剣道部
  • バレー部
  • ボーイスカウト
  • 絵画
  • 俳句
  • 将棋
  • 写真
  • 生花
  • 和洋裁
  • 料理

等、様々な活動が盛んに行われていたようでした。

 

海に眠るダイヤモンドの吹くからにで始まる和歌を調べてみた!

吹くからにで始まる和歌って?

百人の和歌で作られた百人一首の22番目、文屋康秀(ふんや の やすひで)歌です。

吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ

現代語で訳すと…
山から秋風が吹くと、たちまち秋の草木がしおれはじめる。
なるほど、だから山風のことを「嵐(荒らし)」と言うのだなあ。

 

吹くからにで始まる和歌の意味

秋が深まり肌寒さを感じる季節。

秋の風が急に吹きはじめるようになります。

山沿いの土地では、山から降りてくる風が、まるで嵐のように激しく吹き荒れます。

正に、冬の季節の到来を予感させます。

そんな秋の嵐を歌った名句です。

どこにでも見られる自然な現象を歌ったこの和歌を、進平はどんな気持ちで歌ったのでしょうか。

 

海に眠るダイヤモンド吹くからにで始まる和歌の考察

山からの風が吹くとたちまち秋の草木がしおれてしまうので、なるほどそれで山から吹く風を嵐というのですね。

進平が炭鉱夫として、命がけで働く姿も描かれた端島炭鉱の現場。

進平の父、一平は炭鉱現場に入ることを、「山に入る」と表現していました。

地下に下りていくのに、山?と思った方もいらっしゃるかも知れませんね。

地上にはいくつもの鉱山が存在しますが、端島の炭鉱現場は海の底です。

ここで注目すべきは、地下1000mの場所に下りて作業しなければならない、炭鉱現場の過酷すぎる現状でしょう。

ましてや、海の底となると閉ざされた空間。

常に命の危険にさらされていると言っても過言ではありません。

炭鉱現場の仕事は、何が起こるかわからない自然を相手にしているという意味で「山」と表現しているとも言えるでしょう。

いつ山嵐が吹くか分からない⇒いつ危険な出来事が起きるか分からないよ。

新人炭鉱員と言えども、心構えを忘れるなと言う意味に捉えられるでしょう。

 

吹くからにで見せた炭鉱夫の姿

進平が唱えた吹くからにで始まる百人一首の最後は、炭鉱員全員で合唱していました。

この姿から、考察につながるものを読み取れると思ったので補足しますね。

あのシーンで、進平一人で百人一首を唱えても見応えのある映像になったでしょう。

実際には炭鉱員らが、進平の掛け声に合わせて答えていた。

端島炭鉱を命を張って支えていた炭鉱員たちが、互いに励まし合い苦楽を共にしていた姿その物に見えた場面でした。

百人一首の合唱には、「山嵐」に立ち向かおうとする炭鉱員たちの覚悟が込められている様にも捉えられます。

現代とのギャップを感じさせる、端島の人たちの団結力を垣間見れたシーンでした。

 

海に眠るダイヤモンドでなぜ百人一首?

ドラマの中で、百人一首が出て来る事に疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

確かに、軍艦島の歴史には欠かせない百人一首だとは思います。

百人一首は、日本の昔の詩を集めた本で、100人の詩人が書いた100の和歌が入っています。

ドラマの中でよく使われたのは、登場人物の気持ちを深く表現するためではないでしょうか。

もちろん、見ている人が日本の伝統を学ぶためだとも思いますが、一歩引いてヒューマンドラマを見てみましょう。

やはりそこには愛や別れ、自然など、みんなが共感できるテーマがあります。

そのテーマに答えは一つではないところに、ドラマ視聴の楽しさがある、百人一首はそれを手助けしてくれてる様にも捉えられます。

登場人物の気持ちと、昔の歌人たちの心情をリンクすると、ドラマがもっと面白く、意味深くなるような気がします。

 

海に眠るダイヤモンドの百人一首の意味は?吹くからにで始まる和歌を調べてみた!のまとめ

ドラマ『海に眠るダイヤモンド』で歌われていた百人一首の和歌の意味は、山嵐を自然に例えて、それを相手にしている炭鉱現場の過酷さを表現するのに引用されたと考察できました。

たった一人では立ち向かえない大きな「山」も、背中を任さられる仲間が居れば乗り越えられると言う気持ちも込められていたと思います。

こちらは個人的な考察になります。百人一首、奥がふかいですね。

『海に眠るダイヤモンド』進平の吹くからにの場面を見返したくなりました。