鷹羽鉱業は実在した?海に眠るダイヤモンド端島の炭鉱モデル会社を調査!

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神木隆之介さんが主演を務める、ドラマ『海に眠るダイヤモンド』に登場する鷹羽鉱業について視聴者の関心が集まっています。

鷹羽鉱業って実在するの?端島の炭鉱のモデルになった会社は?実際、気になっている方も多いのではないでしょうか?

この記事では『海に眠るダイヤモンド』に登場した鷹羽鉱業は実在した会社なのか、またそのモデルとなった炭鉱発掘会社はどこなのか?を、調査しまとめてみたいと思います。

 

海に眠るダイヤモンド鷹羽鉱業は実在した?

日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』に登場する、鷹羽鉱業は実在しない事が分かりました。

ドラマの中では主人公の鉄平のナレーションによって、端島全体が鷹羽鉱業の所有するものと、説明がありました。

しかし、実際の端島の炭鉱を所有していたのは三菱金属鉱業株式会社です。

『海に眠るダイヤモンド』は放送後に、”このドラマはフィクションです。”の テロップが流れ、登場する団体・人物は架空のものだと説明があります。

ドラマの中で描かれている、炭鉱夫たちの作業現場や住居地区を含む島全体は、三菱金属鉱業株式会社をモデルとした鷹羽鉱業と言う、架空の団体の所有物と言うことになります。

 

海に眠るダイヤモンド端島炭鉱の歴史

端島の炭鉱は、最初から三菱金属鉱業株式会社(以下三菱)が所有していた訳ではありませんでした。

長崎・端島の炭鉱発見の歴史は、なんと江戸時代にさかのぼります。

江戸時代の終わりまでは、漁民が「磯掘り」という名の露出炭を採炭する程度だったそうです。

明治初期にかけては、長崎の炭鉱業者が採炭を着手しますが、台風などの影響もあって廃業となりました。

1890年に三菱が高島炭鉱から10万円(現在の価値で約20億円)端島を買い取り、近代炭坑としての開発が進められていきます。

では、実際にモデルとなった三菱金属鉱業株式会社についてもう少し深掘りしてみましょう。

 

海に眠るダイヤモンド端島を支えた炭鉱モデル会社の取り組み

高島炭鉱のノウハウを引き継いだ三菱は、炭鉱発掘を本格化していきました。

 

端島の面積拡大プロジェクト

三菱がまず、端島で取り掛かったことは島の面積を大きくし、炭鉱発掘に必要な人員をそこに住まわせる事でした。

その為には、端島の面積自体を大きくする事が、最優先課題でした。

三菱は端島の面積拡大作業を合計5回にわたり実施、島全体の広さを約3倍もの大きさにすることに成功しました。

 

端島へ家族ぐるみの移住

三菱が次に取り掛かったことは、端島に炭鉱夫だけを集めるだけではなく、その家族全員を端島に住むようにした事です。

炭鉱夫の家族を住まわせるとなると、住居の確保が必然的になり、それには莫大な費用と設備が必要となります。

三菱は安定的な、炭鉱発掘に向けて住居地域を作り上げて行きました。

そして生まれたのが1916年、日本初の鉄筋コンクリートで出来た住居アパートです。

 

端島の生活環境の整備

三菱が、ここまで炭鉱夫の家族一同をまとめて島に移住させたのは、それによって得られるメリットがあり、大きな利益に繋がると考えたからでしょう。

三菱は炭鉱夫たちの生活基盤を整える事にも、力を入れていました。

労働者への飲料水配給体制を整え、三菱社立の小中学校も設立。

また公共施設及び娯楽施設なども作り、病院神社も建設されたそうです。

端島の銀座食堂も実在し、島全体のインフラは整っていました。

 

端島世界一の人口密度へ

端島での炭鉱発掘が安定していたのは、このモデル会社となった三菱の存在は大きかった事でしょう。

端島炭坑で働く人達の生活を支える環境が整って居なければ、炭鉱発掘の継続は厳しかったのでは無いでしょうか。

史実によると当時の端島では、感染症による患者は記録されていません。

人口密度が高い場所では、何よりも恐ろしいとされる感染症による死亡者の増加。

その最悪の事態を抑えるために、常に島全体は清潔に保たれ衛生管理は徹底されていたようです。

こうして端島には、1959年に総人口約5300人が住むようになりました。

当時の東京の人口密度と比較して約18倍にあたり、最盛期は世界一の人口密度を誇りました。

ロックアウト

「海に眠るダイヤモンド」で描かれた鷹羽鉱業のロックアウトは、端島の史実にも書き残されていました。

労働者が賃上げを求めてストライキを行ったことを受け、会社側が労働者を会社から締め出し、操業を停止させるという措置でした。

ロックアウトがもたらした影響は大きかったと思われます。

労働者への影響

  • 賃金が支払われなくなり、生活が困窮
  • 生活の基盤を失う
  • コミュニティの崩壊

会社側の影響

  • 会社の収益が減少
  • 社会的な信用を失う
  • 労働組合との関係悪化

「海に眠るダイヤモンド」におけるロックアウトは、単なる労働争議にとどまらず、家族、地域社会、そして時代背景と深く結びついた複雑な問題として描かれていました。

 

端島は一島一家

三菱によって作られた端島で暮らす人々は、何不自由なく生活していたそうです。

また年間を通して、各種の行事が行われていて島民全体が参加していました。

夏の盆踊りには、端島音頭で全島民が盛り上りを見せていたそうです。

神社の祭りやメーデー、運動会、文化祭など行事はすべて全島をあげて盛大に行われていて、休むことなく稼働されていた炭鉱発掘も休止されたそうです。

三菱社が作り上げた端島炭鉱はひとつの会社でありながらも、そこで暮らす人々は家族のような存在になっていったと言えるでしょう。

 

海に眠るダイヤモンド端島の炭鉱モデル会社の現在

では、海に眠るダイヤモンド端島の炭鉱モデル会社は今現在はどうなっているのでしょう?

鷹羽鉱業モデル会社は三菱マテリアル

ドラマ『海に眠るダイヤモンド』に登場する鷹羽鉱業のモデル会社は、現在の三菱マテリアル株式会社にあたります。

2024年3月末現在、従業員数は5408人の日本を誇る大手企業になりました。

主な事業内容

  • 金属事業(金属素材の供給)
  • 銅加工事業(自動車、エアコン等の部品)
  • 電子材料事業(電子機器製品)
  • 加工事業(飛行機、自動車)
  • 再生可能エネルギー事業

鷹羽鉱業モデル会社のルーツは153年前?

引用元:三菱マテリアル公式サイト

1918年に設立された三菱鉱業から、実に106年の歴史を誇る三菱グループ企業ですが、そのルーツはなんと153年前にさかのぼります。

今の現代では想像することも出来ないほど何もなかった時代に、炭鉱発掘に携わった人たちがいて、形は変われどそれを引き継いだ人達がいます。

時代とともに変化していく人や社会に応じて、三菱マテリアルが発展してきた事がわかります。

 

鷹羽鉱業は実在した?海に眠るダイヤモンド端島の炭鉱モデル会社を調査!のまとめ

ドラマ『海に眠るダイヤモンド』に登場する鷹羽鉱業は実在しませんが、実際にあった炭鉱会社をモデルにしていたことが分かりました。

モデルとなった三菱鉱業は現在の三菱マテリアルにあたります。

端島炭鉱の歴史を知ることで、ドラマ『海に眠るダイヤモンド』をまた新しい観点から楽しめるかもしれません。