『看守の流儀』は、城山真一による連作短編集で、石川県の加賀刑務所を舞台に、刑務官と受刑者たちの人間模様を描いたミステリー作品です。
今回ドラマ化が決定し、2025年6月21日よる9時から放送されることが分かりました。
ドラマ放送に先駆けて、今回は、原作結末ネタバレを紹介していきます。
最終話ラストでは、主人公・火石の驚きの正体が明らかになりますので、ぜひ最後までご覧ください!
・『看守の流儀』原作結末ネタバレ
・火石刑務官に隠された謎とは?衝撃のラスト
看守の流儀ドラマの原作情報
原作小説『看守の流儀』は、2022年1月に宝島社から刊行されました。
著者の城山真一は、石川県出身で、金沢大学法学部を卒業しています。
彼は『ブラック・ヴィーナス 投資の女神』で第14回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、その後も数々の作品を発表しています。
『看守の流儀』は、石川県の加賀刑務所を舞台に、さまざまな事件を通じて、刑務官と受刑者の心理や人間関係を描いています。
特に、火石司という謎めいた刑務官の存在が、物語全体に深みを与えています。
看守の流儀ドラマの原作結末ネタバレ
『看守の流儀』は、以下の5編から成る連作短編集です。
各話は独立した物語として楽しめますが、全体を通して読むことで、火石司というキャラクターの真の姿や、物語全体に仕掛けられた伏線が明らかになります。
主人公の看守・火石司(ひいし つかさ)は、刑務所内で発生する数々のトラブルを、常識では考えられないやり方で次々と解決してしまう人物です。
そのため、同僚たちの間では「火石マジック」という異名で囁かれ、その存在は伝説的とも言えるほどです。
加賀刑務所を舞台に、複雑な人間関係、葛藤、対立が描かれ、ミステリー要素だけではなく、登場人物の人間味に感動も誘います。
①ヨンピン
模範囚として仮釈放された受刑者・源田が、更生施設から姿を消します。
彼には、服役中に差出人不明の手紙が届いており、その手紙に記された電話番号が事件の鍵を握っています。
同時期、別の受刑者が服薬自殺を図り重体に。
高齢受刑者の死亡が続いていたため、刑務所は対応に追われます。
責任は西門に押し付けられ、蒲田のパワハラが始まります。
模範囚の失踪
「Gとれ」とは暴力団から足を洗うことを意味し、刑務所内では更生支援プログラムとして実施されています。
看守の及川は、自身の担当する工場から入試問題が流出したとの疑いを警察から知らされます。
以前、受刑者・与崎に貸した携帯電話のことを思い出し、内部犯行の可能性を疑い始めます。
試験問題流出
③レッドゾーン
総務部の小田倉は、健康診断記録とレントゲン写真が消えたと知らされ、処遇部による嫌がらせだと疑います。
数日後にGPS発信機導入をマスコミに発表する予定で、混乱が表沙汰になることを恐れます。
背景には、限られた予算配分を巡る総務部と処遇部の対立がありました。
医師の苦悩
④ガラ受け
西門が担当する受刑者・貝原は末期のすい臓がんで余命3ヶ月と診断されます。
過失致死で服役中だが、実は借金の取り立てで脅され、とっさに相手を投げた結果の事故死でした。
また、貝原の妻と娘は、貝原が若い女性のマンションから出てきたとの情報を知り、不倫を疑っています。
刑の執行停止を求めるには、本人と家族の同意が必要で、西門は説得に奔走します。
末期がん受刑者の秘密
貝原は不倫ではなく、亡き義父の隠し子を支援していただけでした。
誤解が解けた妻と娘は刑の執行停止を希望しますが、貝原は罪の意識から拒みます。
火石たちは彼に家族を“偶然”見せる作戦を実行。
再会を経て心を動かされた貝原は、ついに刑の執行停止を経て療養に向かいます。
⑤お礼参り
放火犯として服役していた牛切貢が、出所前の心理テストで「再犯の可能性が極めて高い」と診断されます。
出所後、刑務所の伊井と警察の赤塚が彼の監視を命じられますが、牛切が警察に復讐しようとしているという情報もあり、緊張が高まります。
ですが、彼は突然姿を消しました。
出所者の逆お礼参り
実は火石が心理テストを改ざんしていたことが発覚します。
牛切は同時に出所する貞弘に命を狙われており、それを防ぐために警察を動かしたのです。
貞弘の恋人は牛切の放火の被害者。
復讐を企てていましたが、火石と恋人の説得により直前で思いとどまります。
すべては火石の策だったのです。
看守の流儀ドラマの原作|火石刑務官に隠された謎とは?
『看守の流儀』の最終話「お礼参り」で明かされるのは、火石刑務官に関する最大のサプライズです。
これにより多くの読者が”騙される”感覚を味わいました。
火石刑務官の正体とは
実は火石は女性だったのです。
原作では性別を明言せず、「顔に傷がある」「制帽を深くかぶっている」といった描写で読者を“男性”だと錯覚させる巧妙な叙述トリックが施されていました。
しかし最後にこの前提が崩され、物語全体の仕掛けが明らかになります。
なぜ性別を隠していたのか
この性別の秘密が重要だった理由のひとつは、トランス女性の受刑者・三上順太郎の存在。
彼は戸籍上は男性ながら、女性としての尊厳を持って扱われるべき存在であり、火石はその特例に対応するため派遣された刑務官でした。
火石の“顔の傷”も“帽子の深さ”も、実は性別を隠すための伏線。
最後にそれがすべて回収されることで、読者は見事に“騙される快感”を味わうことになるのです。
看守の流儀ドラマ情報
引用:X
『看守の流儀』は、テレビ朝日で2025年6月21日よる9時から放送が開始されます。
脚本:橋本裕志(代表作:華麗なる一族、月の満ち欠け、など)
監督:深川栄洋(代表作:神様のカルテ、星降る夜に、など)
主演:竹内涼真
共演:木村文乃
と、豪華な顔ぶれに、ドラマ『看守の流儀』にも期待は高まります。
火石刑務官役に木村文乃さんが抜擢されているため、小説を読んだ皆さんが”騙された”体験をこれからドラマを見る人はできないんですね。
しかし、ドラマだからこその描写があったり、小説を読んだ人にも楽しめる展開は用意されているはずなので、ぜひ、ドラマ『看守の流儀』をチェックしてみてください。
看守の流儀ドラマの原作結末ネタバレ!火石刑務官に隠された謎とは?まとめ
『看守の流儀 』原作の魅力は、単なる刑務所ミステリーに留まらず、深い人間ドラマと予想を超えるラストが詰まっている点にあります。
今回ご紹介した原作結末ネタバレからも分かるように、火石刑務官が見せる行動の数々は全て伏線となっており、最終話「お礼参り」で明かされる“ある真実”によって、読者は一気に物語の核心へと引き込まれます。
6月21日からドラマの放送が開始されますが、ドラマならではの演出や感情の描写により、原作とはまた違った感動が味わえることでしょう。
これから『看守の流儀』を読む方も、原作結末ネタバレを知ったうえでドラマを観る方も、火石刑務官の謎について実際に体感してみてくださいね。
特に、「ガラ受け」と、「お礼参り」は泣けた!という声が多く見られ、ただのミステリーだけではない感動的なストーリーに多くの読者が心を動かされていました。